「補習校」ってどんなところ? 

日本では「補習校」のことをあまり知られておりません。多くの方々に「補習校」を知っていただき、ご理解とご協力をいただけるよう願っています。

〇日本政府の思いやり

 「シカゴ双葉会日本語学校補習校」の幼小中高のうち、外務省および文部科学省では義務教育の小中学校の部分を「補習授業校」として認定し、日本から教員を派遣し、補助金を交付しています。同じ校舎で月~金の教育活動を行う「シカゴ双葉会日本語学校全日校」(シカゴ日本人学校)も同様に教員派遣や補助金をいただいております。海外で生活する日本人にとって子どもの教育は、医療や安全と並んでとても大切なことの一つです。他の国ではこのような国民に厚い政策は珍しく、その点、日本政府はたいへん思いやりがあると言えます。

 〇日本人学校と補習授業校

 【 日本人学校 】

 日本人学校は、在外で日本国内と同様、月~金までほぼ国内と同じ教育課程で運営しています。海外にある日本の小中学校とイメージしていただければよろしいかと思います。海外で日本国内と同様の学校として日本人の教育を支える大切な施設です。シカゴ日本人学校は「全日校」と呼んで「補習校」と区別しています。

  【 補習授業校 

 平素は現地校に通う義務教育年齢の児童生徒のために週末に日本語で授業をしている教育施設です。ウィークエンドスクールとかサタデースクールと呼ばれています。全世界に200以上あり、最もその数の多い米国を中心に約21,000人の子どもたちが通っています。当初は帰国を前提とした子どもたちが主に在籍しておりましたが、最近は永住の子どもたちが急激に増加しています。

基本的な補習授業校の目的

 シカゴ補習授業校(小・中学部)は、平日に現地校に通う子どもたちが、週一回、土曜日に日本語で学ぶ場所です。日本の文部科学省の学習指導要領に基づき、日本の小・中学校の教科書を使用して、帰国後に困らぬよう国語・算数・数学・社会科の補習授業を行います。行事として、始業式・終業式・卒業式・運動会などがあります。また、日本の伝統文化や行事を体験することを通して、日本人としての自覚をもち、バランス感覚のあるグローバルな人材育成を目指しています。

 〇 「全日校」「補習校」と「双葉の子」

 シカゴ双葉会日本語学校補習校は、日本政府の補助を受ける小学部・中学部の義務教育部と、双葉会独自で経営する幼稚部・高等部で構成されています。日々の生活の中では全体を「補習校」と呼んで区別なく活動しています。

 また、シカゴ双葉会日本語学校は世界でも珍しい全日校(日本人学校)と補習校が同居する教育施設です。園児児童生徒は相互に籍替えをすることができます。

 同じ校舎を月曜日から金曜日までは全日校が使い、土曜日は補習校が使っているのです。 全日校と補習校の児童生徒は「双葉の子」です。

 

〇 補習校の子どもたちの可能性

 補習校に在籍する子どもたちを大きく二つに分けることができます。

 * 帰国を前提とする子どもたち

 保護者の仕事の関係で数年間滞在し、現地校と補習校に通っています。帰国を前提としていますので、帰国後に困らぬように国語や算数・数学については国内同様の授業を期待しています。

 * 永住の子どもたち

 永住で、将来アメリカ市民になる可能性の高い子どもたちです。その多くがアメリカに在住する永住者、または両親が国際結婚をして生まれたお子様で、正にバイリンガル・バイカルチャーの人です。

〇 子どもたち・保護者の努力

 補習校に通う子どもたちは、月~金の5日間は現地校(アメリカの幼稚園や学校)に通います。英語漬けになるので日本語の維持が難しくなります。週1回の補習校の授業だけでは日本語を維持できません。月~金までの家庭生活でも、日本語による学習が大切になります。子どもも保護者もその努力はたいへんで、切実です。

 小学部の中学年以上になると現地校の学習や学校外の活動で多忙になります。中学生にもなるとさらに厳しく、土曜日にも活動が行われることも多くなります。そのような中、本人と保護者の強い意思が補習校への通学を支えます。

〇 補習校の先生

 先生は月~金までは別の仕事をしている人多く、多忙な中で準備をして土曜日の授業に臨みます。近年、日本語力の低下した子どもたちに対応する工夫が求められています。身体活動や映像・写真を取り入れるなど、日本語の心配な子どもでも理解しやすい授業を創ろうと工夫しています。